赤ちゃん絵本を楽しもう!

Vol.27 『ぶう ぶう ぶう』作者・おーなり由子さんインタビュー

Vol.27『ぶう ぶう ぶう』作者・おーなり由子さんインタビュー

赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、おーなり由子さんにご登場いただきます。

子どもとの遊びの中から生まれた絵本

――『ぶうぶうぶう』は、おーなりさんの作品の中で初めての赤ちゃん絵本ですが、どのようにして生まれたのでしょうか。

息子が赤ちゃんの頃、一緒に布団でごろごろしながら、「ぶう」とおなかや手の甲にキスするみたいにして音を鳴らす遊びをよくやっていたんです。「ぶう」とやるたび、くすぐったがってよく笑いました。わたしもなんだか幸せな気持ちになって、一緒に笑って。これを絵本にしたら、寝ころんだりだっこしたりしながら読んで、すぐに子どもと遊べるなあと思ったんです。やり方次第で思いがけずいろんな音が出るので、読むたびに違う絵本のようにもなって、面白いですよ。

―― 絵は、はたこうしろうさんが描かれていますね。このシリーズのはたさんの絵について、おーなりさんはどのように感じてらっしゃいますか。

絵は自分で描こうかとも思ったのですが、この本は、夫(はたこうしろうさん)と一緒につくるのもいいなと思いました。夫婦だとイメージを伝えやすいから楽なんです。赤ちゃんの表情は、「かわいくして、かわいくして」って(笑)。それと「できるだけシンプルに」とお願いしました。赤ちゃんの顔って、甘くなりすぎないこととか、無垢な感じとか、さじ加減が難しいんです。最初の「ぶう」の顔は、何度も描き直していました。愛らしく描いてくれて、うれしかったです。

言葉の通じない赤ちゃんとは、絵本で心のやりとりを

―― ご自身の子育ての中での、赤ちゃん絵本にまつわる思い出があれば教えてください。

子どもが赤ちゃんの頃、私が風邪をひいて寝込んでいた時に、「あそんで、あそんで」という感じでおなかをよじ登ってきたのですが、遊んであげられなくて困ったことがあったんです。その時「絵本なら読める!」と、寝ころんだまま次々と読んだら、赤ちゃんが私の声をうれしそうに、じいっと聞いていて。まだ言葉が通じなくても、絵本で心をやりとりしているんだ、と感じて、じーんとしました。

―― 子育てに赤ちゃん絵本の読み聞かせを取り入れると、どんないいことがあると思われますか?

赤ちゃん絵本は、内容があまりに単純なので、読んでいる大人の方はつまらなかったりもするんですが(笑)、言葉が通じない赤ちゃんとの間をつなぐきっかけになる、とても簡単で、幸せな道具だと思います。

何回も読むのは大変だけど、その時間は、赤ちゃんにとって楽しい時間なだけでなく、子どもが育ちあがったら、自分にとっての宝物みたいな思い出に変わっていて。言葉が通じないのに、同じ絵を見て笑ったりしゃべったり。わたしの声に耳を澄ましてくれたあの時間は幸せだったなあ、と胸にずっと残る。これが一番良いことかな。と思います。

―― これから赤ちゃんと絵本の時間を楽しもうとしているママ、パパに向けて、メッセージをお願いします。

赤ちゃんは、読んでくれる人の「声」や「気持ち」を味わっていると思います。言葉がとてもシンプルなので、そのまま読むのもいいですが、好きなように横道にそれて、たとえば、音や遊びをつけ足したり、親も勝手に遊びながら読んでみると楽しいと思います。読んでいる人が楽しんでいると、それが子どもにも伝わって楽しさが倍増です。

ミーテ プレゼント情報

おーなり由子さんと、はたこうしろうさんの絵本『まてまてさん』おふたりの直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

ご応募はこちらから

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
8月21日(火)~9月3日(月)

プロフィール

おーなり 由子(おーなり ゆうこ)

1965年生まれ。絵本作家、漫画家。おもな著書に『ひらがな暦』『幸福な質問』(以上、新潮社)、『ことばのかたち』(講談社)『てのひら童話1~3』(角川書店)、『天使のみつけかた』『ラブレター』(大和書房)、『だんだんおかあさんになっていく』(PHP研究所)、『あかちゃんがわらうから』(ブロンズ新社)、『こどもスケッチ』(白泉社)など。翻訳の仕事に『たいせつな あなたへ あなたが うまれるまでの こと』『おにいちゃんといもうと』『ごはんのじかん』などがある。


ページトップへ