Vol.13 『はらぺこあおむし』日本語版刊行40周年記念インタビュー
赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は世界中で愛されるロングセラー『はらぺこあおむし』について、出版元である偕成社編集部の和田知子さんにお話を伺いました。
『はらぺこあおむし』の日本語版が昨年、刊行40周年を迎えました。編集部には、親子2世代で楽しんでいるという感想がたくさん寄せられています。ロングセラーならではの反響ですね。
『はらぺこあおむし』はいわゆる“赤ちゃん絵本”ではありませんが、まだお話を理解できない赤ちゃんのうちから楽しむことができます。鮮やかな色と、はっきりした構図が赤ちゃんを魅了するのではないでしょうか。穴に指を入れて、おもちゃ感覚で遊べるのも大きな魅力のひとつですし、小さい子にとって身近な食べものが次々と出てくるのも、楽しめる要素だと思います。
22cm×30cmのサイズの通常版以外にも、飛び出す絵本やビッグブック、ミニ版、ぬりえ絵本など、様々なシリーズ本を展開していますが、最も人気があるのは、13cm×18cmの厚紙を使ったボードブック。丈夫なつくりで、くり返し読んでも破れにくいですし、小さな子でもページがめくりやすく、持ちやすいということで、ご好評いただいています。
世田谷美術館でのエリック・カール展の開催にあたって、4月にカールさんが来日されました。6月で米寿を迎えるカールさんですが、展覧会には新作も出品されており、まだまだ衰えぬ創作意欲を見せてくれています。
カールさんは、これまでいくつものインタビューの中で「『はらぺこあおむし』は希望の物語だ」と語っておられます。ちっぽけなあおむしが、きれいなちょうへと変わっていく様子は、未来に向けて成長していく子どもの姿と重なります。誰もが共感できる「食べること」や「成長すること」がシンプルに描かれているからこそ、世界中で愛される絵本となったのでしょう。
もりひさしさんの訳による文章はとてもリズミカルで、気持ちよく声に出して読んでいただけます。赤ちゃんにゆったりと向き合って、対話する気持ちで読み聞かせしてみてください。読み手が楽しんで読んでいると、その気持ちがお子さんにも伝わると思いますよ。
装幀をシルバーに変えた『はらぺこあおむし』日本語版40周年記念限定版(スペシャル・ブックレット付き)をミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。
プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
エリック・カール
1929年、アメリカのニューヨーク州に生まれ、ドイツで育つ。シュツットガルトの美術アカデミーを卒業後、アメリカに戻り、グラフィックデザイナーとして活躍。1968年に『1、2、3 どうぶつえんへ』を発表し、ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞を受賞。以来、世界的な絵本作家として創作を続ける。代表作に『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』『だんまりこおろぎ』(いずれも偕成社)など多数。
エリック・カール スペシャルサイト http://www.kaiseisha.co.jp/special/ericcarle/