毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、たむらしげるさんの『ありとすいか』。1984年にリブロポートから刊行され、2002年にポプラ社から復刊された名作絵本です。
ある暑い夏の午後、あり達が真っ赤に熟したすいかを見つけてやってきました。巣に運ぼうとみんなで力を合わせて押しますが、びくともしません。そこで…。
まず印象に残るのが、大きくて真っ赤にうれたすいか。ありの目から見るので、カットされたすいかでも、視界を覆うほどのスケールになります。熟していることが伝わる鮮やかな赤とピンク、水分もたっぷりで、おいしいことは試食したありの保証済み。すいか好きにとって夢のような景色です。
もう一方の主役は、あり。茶色の体に赤い長靴。黒い帽子をかぶったのもいるおしゃれぶりです。擬人化されたありは、現実のありと同じく、たくさんの仲間を呼んで知恵をしぼって、何とかすいかを巣まで運ぶことに成功するのです。
お話は「ありがすいかを見つけて巣に運ぶ」というものですが、子ども達の興味はそこに留まりません。細かく描き分けられたありは、皆動きがコミカルでユーモラス。読むたびに新しい発見があるようです。また、ありの巣の部屋も子ども達は大好き。チョコやキャンデー、いちご、宝物の部屋などがあって、まるで子ども達の夢の秘密基地のようです。
こちらはたむらしげるさんの絵本デビュー作。原点ともいえる、不思議で楽し気な雰囲気と大きなスケールをもった作品だといえるでしょう。
読み終わった後は、まるでありと一緒にすいかをお腹いっぱい食べたような気持ちになります。暑い日に読みたくなる、清涼感たっぷりの一冊です。
<ミーテ会員さんのお声>
あまりにもすいかが大好きなので、すいか絵本を図書館で借りてきた。『ありとすいか』は保育園でも読んでもらっているようで、本を見せただけで「ありとすいかだ!」と大喜び。ありの巣にあるものを教えてあげたら、次に読んだ時に質問攻めにあった。子どもって知ってるものを繰り返し楽しむのが好きなんだよなぁとつくづく。(2歳7か月の男の子のママ)
神奈川・川崎の地下街「アゼリア」の今年度のイメージビジュアルをたむらさんが手がけています。夏のテーマは「スイカ」で、壁や柱が真っ赤なすいかでいっぱいに。『ありとすいか』のありになった気分が味わえます(8月下旬まで)。
大型絵本の『ありとすいか』も、同じくありの気持ちが味わえますよ。最後のウォーターシュートなどは迫力満点。図書館などで探してみてくださいね。
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