イチ押し絵本情報

モノクロで疾走するいたずらきかんしゃ(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.156)

2017年11月2日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 モノクロで疾走するいたずらきかんしゃ

今回ご紹介する絵本は、バージニア・リー・バートンさんの『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』。アメリカで出版されたのが1937年、邦訳は1961年のミリオンセラーです。翻訳はNHKの連続テレビ小説「花子とアン」でおなじみの村岡花子さん。

真っ黒くてぴかぴか光っていて、きれいなかわいい機関車「ちゅうちゅう」。ある日「もう、あの重い客車なんか引くのはごめんだ」と逃げ出してしまいます。でも、いろんな試練が待ち受けていて…。

見開き

乗り物好きの子ども達を80年も夢中にさせてきた絵本です。大型の絵本でテキストも多いのですが、小さい子も最後まで集中して聞いています。

子ども達をひきつけるのは、まずは、機関車の疾走感でしょう。表紙からして、ページから飛び出してしまいそうに描かれています。中の絵はモノクロで、画材のコンテの粉っぽさが蒸気機関車の煙やスチームのようで迫力があります。また、文字もイラストの一部のように配置されていて、躍動感あるページをつくりだしています。

もうひとつは、ちゅうちゅうの「わたしひとりならもっと…」というセリフ。どの時代の子どもも心に秘めている思いでしょう。ただそれを実行した結果、大変な騒ぎになります。でも困った時にちゃんと機関士が迎えに来てくれて、最後は怒るどころか「うれしくなって一緒に踊ってしまいました」となるのですから、世のいたずらっ子達が夢に描く展開でしょう。

以前このコーナーでバートンさんの『ちいさいおうち』を紹介した際に、「作品をつくる際には、必ず自分の子ども達に読み聞かせて、子どもの反応を反映させて完成させていた」とご紹介しました。作者のデビュー作でもあるこの「ちゅうちゅう」の英語版には「TO MY SON ARIS(息子のアリスへ)」ということばとともに、機関車のおもちゃで遊ぶ男の子の姿が描かれています。そのことば通り、この作品は機関車好きの長男のアリスのためにつくられました。また、『マイク・マリガンとスチーム・ショベル』は次男のマイケルのために生まれた作品だそうです。

<ミーテ会員さんのお声>
主人の実家でお泊りの日。息子の寝かしつけにと本棚の絵本を見ていたら、姪が「これ、おもしろいよ~」とすすめてくれたのが、『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』でした。主人も幼い頃、親に読んでもらってお気に入りだったそう。息子がすっかりハマったのを見て主人もうれしそうでした。白黒だけれど絵がきれいでお話も面白く、家族みんなのお気に入りになりました。(2歳4か月の男の子のママ)

本の見返しにはカラーで、小さな町の小さな駅から大きな町の大きな駅とその先までが描かれています。読み終わった後に照らし合わせてみるとより楽しめますよ。


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