イチ押し絵本情報

不思議で美しいシルエット、この野菜なんだ?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.152)

2017年10月5日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 不思議で美しいシルエット、この野菜なんだ?

今回ご紹介する絵本は、きうちかつさんの『やさいのおなか』。1984年に福音館のペーパーバック絵本として出版されたロングセラーです。

「これ なあに」。ネギにレンコン、ピーマン、タケノコ…。野菜のおなかを切った断面図が、影絵のようなシルエットでつぎつぎ登場します。いくつわかるかな?

見開き

「これ なあに」という文字に、野菜を輪切りにした断面図を黒白のシルエットで描いた絵。ページをめくると、答えの野菜の名前とカラーの断面図にリアルな全体図。質問と答えが交互にあらわれる、シンプルなつくりの絵本です。

表紙のカボチャは比較的簡単。でも次のネギから難易度があがります。子ども達は持ち前の想像力を駆使して、どんどん答えを言うことでしょう。野菜だよ、冬のお鍋によく入っているよ、などとヒントを言ううちに、とうとう当たって答えのページ。子どもの顔は、「次は?」とキラキラ輝いていきます。

この絵本の魅力は、絵本だけで終わらないところではないでしょうか。クイズを出し合って遊んだ後は「他の野菜のおなかはどうなっているんだろう」と、台所に行くかもしれません。知らない野菜は、本物を見てみたい、食べてみたい、となるかもしれません。野菜はんこを思い出す子もいるかもしれません。

木内かつさんは、絵本から始まる造形遊びを幼稚園で10年以上指導していた経験がある方。著作『木内かつの絵本あそび』(写真・西山悦子、福音館書店)の中で、「読み手と子どもが一緒に体験した絵本の世界を、もっともっと楽しめたらいい」と語っておられます。この『やさいのおなか』も、そんな遊びのきっかけに満ちた一冊です。

そしてもう一つの魅力は、断面図のシルエット。普段私達の食卓にのぼる身近な野菜の、見たことのない一面を知り、その美しさに気付かされます。子ども達に、自由に想像する楽しさ、さまざまな遊びに発展する面白さ、身近なものの美しさに気づく喜びを伝えてくれる絵本だと言えるでしょう。

<ミーテ会員さんのお声>
先日図書館から借りてきた『やさいのおなか』。すごく食いつきがよくて、読んであげると順番に大きな声で野菜の名前を答えていきます。サツマイモは、「やきいも」と言っていました(笑) タケノコだけがわからなかったようでしたが、教えると何度も言っていました。 裏表紙に書かれている野菜の断面図も、一つひとつ声に出して名前を言っていました。この絵本は、これから自分ひとりで読みそうです。(2歳9か月の女の子のママ)

姉妹本に『やさいのせなか』『くだものなんだ』があり、同じく身近な野菜・果物の新しい面を見せてくれます。この絵本が気に入ったお子さんは、きっとこの2冊も大好き。ぜひ手に取ってみてくださいね。


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