毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、長谷川義史さんの『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』。2000年7月に出版された長谷川さんのデビュー作です。
「おじいちゃんのおじいちゃんは、どんな人?」 5歳の幼稚園児のぼくの素朴な質問から、おじいちゃんのおじいちゃん、そのまたおじいちゃんへと、昭和、大正、明治、江戸、原始時代と時代がどんどんさかのぼり、やがて…。大笑いしながら、自分のルーツについて考えられる絵本です。
5歳のぼくにとって、お父さん、おじいちゃんは分かる。でも、おじいちゃんのおじいちゃんは? そのまたおじいちゃんは? 誰しも一度は思ったことがある疑問を、5歳のぼくは最後の最後まで聞き続けていきます。
おじいちゃんにその上のおじいちゃんを紹介されながら、時代をさかのぼるぼく。ちょんまげの「ひいひいひいひいおじいちゃん」が登場すると、一気にテンポアップ! 「ひい」の文字がどんどん増え、ページは小さな「ひい」という字でどんどん埋まり始め、読み聞かせる大人が困って「ひい」が悲鳴のようになるにつれ、子ども達は大爆笑!
そして最初のおじいちゃんにたどり着いたところで、来し方から行く末に視点が切り替わり、余韻を残して終わります。「大笑い」で終わらず、自分まで続いてきて、この先続いていく命の連鎖に思いが至ることでしょう。
「自分のもんをつくりたかった」という憧れに押されて、イラストレーターだった長谷川さんが手がけた初の絵本。長谷川さんの自叙伝『それゆけ!長谷川義史くん』(小学館)では、「遡った時代の様子が読者の子どもたちに伝わるようにと、背景はすごく時間をかけた」と語っていらっしゃいます。何回も描き直し、結局出版するまで3年かかったそう。1回目は大笑い、2回目以降は絵もじっくり眺めると、さらに楽しめること請け合いの絵本です。
<ミーテ会員さんのお声>
5歳でたんぽぽ組の息子は「一緒やん!」と最初から大受け。さらに、年の差94歳のひいおばあちゃんがいるので、すっかり気に入っています。
お父さんのお父さん=おじいちゃんから始まり、どんどんさかのぼりながら、服装や背景も昔に戻っていきます。ちょんまげの辺りからページに「ひい」が増え始め、縄文時代の頃になるともう小さな字でいっぱい! 読み聞かせも早送りのように高音で「ひいひいひいひい…」と息も絶え絶え(笑) 親子で大爆笑です。でも、どんどん命が受け継がれていって今の私達がいると思うと本当にスゴイ!!! 親子で太古の昔に思いを馳せるのでした。(5歳2か月の男の子のママ)
「5歳のぼく」のモデルは息子さん、お父さんは長谷川さんご自身がモデルだそう。さらに長谷川さんのお父さんのお話は、『てんごくの おとうちゃん』。お母さんのお話は『おかあちゃんが つくったる』。いずれもグッときますよ。
▼長谷川義史さんのインタビューはこちら
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