毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、長谷川摂子さんの文、降矢奈々さんの絵による『おっきょちゃんとかっぱ』。1994年に月刊絵本「こどものとも」の1冊として刊行され、1997年に「こどものとも傑作集」として市販本化された名作です。
おっきょちゃんが川で遊んでいると、かっぱのガータロから水底の祭りに誘われました。浴衣に着替えて出かけたおっきょちゃんは、祭りの餅を食べると、水の外の世界のことをすっかり忘れてしまい、ガータロのうちの子になって楽しく暮らし始めます。ところがある日、小さな人形が流れてくるのを見つけて、急に家のことを思い出してしまい…。さて、おっきょちゃんは無事、人間の世界に戻れるのでしょうか?
作者の長谷川摂子さんは幼い頃、川に落ちて溺れかけたことがあるそうです。『おっきょちゃんとかっぱ』は、そんなご自身の体験に、岩手県・遠野の民話の語り部、鈴木サツさんから聞いたかっぱの怖い話や、その他多くの昔話や民間伝承が重なりあって生まれたとか。ゆらゆらとした水底の世界は彩り豊かで美しく、幻想的に描かれています。
面白さと怖さ、切なさと安堵感。様々な気持ちをバランスよく味わえるのが、この絵本の何よりの魅力。おっきょちゃんと一緒に物語の世界に飛び込んで、絵本ならではの疑似体験を楽しんでみましょう。
<ミーテ会員さんのお声>
表紙が印象的で、いつか読んでみたいと思っていた絵本。絵がきれいです。うまく説明できないけれど、見ていて想像力が膨らみます。
娘も読むたびにいろいろ感じているようで、川で遊んでいるおっきょちゃんを見て「こんなところでひとりで遊んでたらいけないよね」と言ったり、ガータロがおっきょちゃんに緑の小石を渡す場面で、表紙の絵を指さして「これだよね」と言ったり。人形を握りしめて泣く場面では、「お母さんに会いたくなっちゃったのかな」とおっきょちゃんの気持ちを想像していました。(3歳11か月の女の子のママ)
長谷川摂子さんと降矢奈々さんと言えば、『めっきらもっきら どおんどん』を思い出す方も多いことでしょう。主人公の性別は異なりますが、異世界に迷い込んだ子どもが現実世界に戻ってくるまでを描いたファンタジーという点は共通しています。どちらも夏にぴったりのお話。ぜひ読んでみてくださいね。
▼長谷川摂子さんのインタビューはこちら
「子どもとの絵本の時間は人生のゴールデンタイム」
▼降矢奈々さんのインタビューはこちら
「子どもは必ず見つけてくれる 絵本の中に潜んだ“遊び”」
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