毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、いとうひろしさんの『ルラルさんのにわ』。1990年に初版発行された、第13回絵本にっぽん賞受賞作品です(初版発行元は、ほるぷ出版)。
毎日、庭の手入れをするルラルさん。大切な庭なので、誰かが庭に入ろうとすると、すぐに追い払います。ある日の朝、大きな丸太が庭に転がっていました。怒ったルラルさんは丸太を蹴飛ばそうとしますが、丸太と思っていたものは、実はワニで…。さて、ルラルさんの庭は一体どうなるのでしょう?
主人公のルラルさんは、一見頑固な偏屈おじさんです。でも、庭にやってきたワニとの交流を機に、その堅物キャラのイメージが劇的に変わります。こちらの見開きページのルラルさんの表情を見てみてください。なんとまあ、幸せそうなこと! さらに、誰も入れなかったはずの自慢の庭には、たくさんの動物が所狭しと寝転がっています。
どういう経緯でこんなことになったのか、詳しくは絵本を読んでみてください。ルラルさんが見つけた日常の中の小さな幸せが、ほのぼのと描かれていますよ。
作者のいとうひろしさんはインタビューでこんな風におっしゃっています。
「今の時代、親にしても子どもにしても、『ちゃんとやらなきゃだめ』『こうしなきゃいけない』みたいなことに縛られている人が多いでしょう。でもルラルさんは、自分の考えてたことが思い通りにいかなくても、その中でいいことを見出したり、幸せを感じたりできる。それができると、気分的にすごく楽なんじゃないかなって思うんですよ」
思いも寄らないことを楽しめる余裕、子育てをする中でも見習いたいものですね。
<ミーテ会員さんのお声>
娘が最近、ちょっと怖そうなおじさん「ルラルさん」に夢中です。メガネを取ったときのギャップがたまらないみたい。シリーズ全部、読んでみたいな。(2歳1か月の女の子のママ)
「ルラルさんのえほん」シリーズは他に『ルラルさんのバイオリン』、『ルラルさんのじてんしゃ』、『ルラルさんのぼうえんきょう』など、全部で7冊が出版されています。独特の魅力満載のルラルさんの世界、ぜひ楽しんでくださいね。
▼いとうひろしさんのインタビューはこちら
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