毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、アリスン・マギーさんが作、ピーター・レイノルズさんが絵を手掛けた『ちいさなあなたへ』。2008年に日本に紹介された、50万部超のベストセラーです。
すやすやと夢を見る愛しい我が子を見つめながら、我が子の誕生とこれまでの日々を思い返し、そして我が子の未来に思いをはせます。いつかきっと、あなたも…。
母である、ということの幸せとせつなさをストレートに描いた作品として、多くのママ達の涙を誘ってきた名作です。母であるとは、喜びであり同時に、不安や苦しみ、つらさ、寂しさがある…。嵐のような子育ての日々の中で、一瞬の凪ぎを感じる子どもの寝姿。その時、絵本のママと同じように、子どもの来し方行く末に思いを馳せたことがある方も多いことでしょう。
日々の雑音から切り離され、自分の中の子どもへの思いに向き合った時、何が浮かび上がってくるのか。子どもの幸せを願い、成長を見守り、寄り添っていたい…。母としての思いが、高らかに、そしてせつなく歌い上げられています。
ストーリー自体は一見シンプルなものです。しかし読み手の思いは、母から子どもへの思いと同時に、子としての自分、そして祖母、曾祖母から連綿と続く命へと広がります。この絵本は、「すべてのおかあさんと子どもたちに」、つまりすべての人に捧げられた、母なるものの賛歌なのです。
母の愛情をシンプルに、ストレートに表現する文章に対し、レイノルズさんの絵は軽やかでウエットなところがありません。絵が多くを語りすぎないことで想像の余白ができ、より多くの人の心にしみ入る作品となったのかもしれません。
<ミーテ会員さんのお声>
図書館で借りたことがあったけれど、今日、本屋さんで立ち読みしたらやっぱりジーンときたので買いました。「あんなにおおきかったいえが とてもちっぽけにみえることに おどろくだろう」って悲しい文章なんだけど、そんな日がくるんだなぁとドキンとする。読み聞かせ向けな本じゃないかも、と思いつつ読んでみると「みちをわたるとき、あなたはいつも わたしの てに しがみついてきた」のところで、娘が腕にしがみついてきた。グッときた。(8か月の女の子のママ)
同じ作絵のコンビで、『きみがいま』という作品があります。こちらの主人公は男の子。今を生きる子どもの姿を、その瞬間の大切さを愛情込めて語る、こちらも感動作です。
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