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くすのきしげのりさんの文、福田岩緒さんの絵による絵本『ぼくのにいちゃん すごいやろ!』が出版されました(本体1200円+税、えほんの杜)。仲良し3人組の友情を描いた『ともだちやもんな、ぼくら』、ボランティアをテーマにした『ええことするのは、ええもんや!』に続く、ダイスケ、ヒデトシ、マナブの3人組のシリーズの3作目です。
今回の主人公はヒデトシ。ダイスケ、マナブとともに魚釣りに出かけると、泣き虫で、いつもえばってばかりのヒデトシの兄ちゃんがやってきました。「大物を釣る」と宣言したのに1匹も釣れない兄ちゃんに、ヒデトシはがっくり。しかも用水路に落ちて泥だらけになってしまって、かっこわるいったらありゃしない! でもそんな矢先、3人がピンチに見舞われて…。
描かれるのは、等身大の「兄ちゃん」像。兄弟について考えるきっかけになる一冊です。
<作者(文)・くすのきしげのりさんからのコメント>
できないことや失敗することがたくさんあるわりには、少々自意識過剰のヒデトシの兄ちゃんは、きっと友だちから馬鹿にされることもあるでしょう。でも、本人は、そんなことを気にせずのびのびと過ごしています。この兄ちゃんは「へなちょこ」なのでしょうか。いいえ、ヒデトシたちを6年生から守ろうとする兄ちゃんは、泣きながらだけど、泥だらけだけど、かっこいいのです。
私は、このヒデトシの兄ちゃんが大好きです。そして、ヒデトシに、「ぼくのにいちゃん、すごいやろ!」と言わせてあげたかったのです。
<作者(絵)・福田岩緒さんからのコメント>
僕の思い出の夏の中には、いつもむせ返るような夏草の匂いがありました。『ぼくのにいちゃん すごいやろ!』の話を、くすのきしげのりさんからいただいたとき、読んだ途端にこの夏草の匂いを感じました。加えてヒデトシのお兄ちゃんの誰にでも見透かされてしまう強がりとその明るさに、僕は引き込まれました。言うことなすことすべて軽いお兄ちゃんです。でも本当の姿は?この絵本の中で見つけてください。
見るからにかっこよくて頼もしい兄ちゃんに憧れる子どもは多いかもしれませんが、世の兄ちゃんが全員そんな兄ちゃんのはずがありません。恥ずかしい、情けない、でも誇らしい…兄に対する弟の思いが揺れ動く、くすのきしげのりさんならではのお話です。
▼くすのきしげのりさんのインタビューはこちら
「読者の心に窓を開ける、『物語る力』のある絵本を」
▼福田岩緒さんのインタビューはこちら
「絵本の中に描く さまざまな気持ち」
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