毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、アーノルド・ローベルさんの『ふたりはともだち』。小学校の教科書にも採用されてきた、100万部超のロングセラーです。1970年にアメリカで出版され、コールデコット賞を受賞した作品です。「がまくんとかえるくん」 シリーズの一冊。
「春が来たよ」とがまくんを起こしに来たかえるくん。でも、がまくんはなかなかベッドから出てこようとしません…。かえるくんとがまくんの友情を描く5つのお話を収録。友だちの大切さを実感できる絵本です。
鮮やかな色使いの絵本があふれる中、色味は緑と茶色のグラデーション。地味で渋い印象の絵本です。なぜ幅広い世代に長年愛着をもって受け入れられているのでしょうか?
がまくんとかえるくんは、かえるの種類が違うことがわかるリアルさ描かれています。しかし印象に残るのはふたりのかわいらしさ。つつましく居心地の良さそうな家やふたりをとりまく自然は、実に繊細で丁寧に描かれています。登場人物にも背景にも、ローベルの深い愛情が感じられます。
物語は、日常のささいな出来事が、ふたりのゆったりとしたペースで進みます。小さな出来事に真面目に取り組み、悩み、考えるふたり。真剣に取り組めば取り組むほど、おかしみが湧いてきます。あたたかいユーモアや、やさしく軽い語り口に、子どもは安心して物語の世界に身をゆだねるのではないでしょうか。
飾らない心から浮かぶ気持ちの発露や友情の複雑さには、大人の心もゆさぶる深さがあります。私たちが暮らす日常とほど近い場所で起こるふたりの物語。その自然体な姿こそが、世代を超え心に直接訴えてくるのではないでしょうか。
<ミーテ会員さんのお声>
郵便局のお兄さんが大好きな長女。時間になると、小窓から覗いてお出迎え。「お手紙を持ってきてくれて、ありがとう~」と叫んで、お兄さんをびっくりさせています(笑) 『ふたりはともだち』の中の「おてがみ」もお気に入り。でもかたつむりくんに届けてもらったから、それはそれは時間がかかって! やっと届いた時は、胸を撫で下ろしていました。(8か月と4歳4か月の女の子のママ)
主人公をがまくんとかえるくんにしたのは、娘さんが両生類が好きだったことがきっかけのひとつだそうですよ。子どもの興味から生まれた絵本であることも、世界中の子ども達に愛されてきた理由かもしれませんね。
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