毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、イギリスの絵本作家ジェズ・オールバラさんの絵本『ぎゅっ』です。日本で紹介されたのは2000年。赤ちゃんから楽しめる絵本として、ミーテでも人気の高い一冊です。
ジャングルで楽しそうにお散歩していた子ザルのジョジョくん。ゾウやカメレオンなど、いろんな動物の親子が「ぎゅっ」としているのを見て、だんだんママが恋しくなってきます。ゾウの親子が一緒にママを探してくれますが、なかなか見つからず、ついには泣き出してしまって…。さて、ジョジョはママと「ぎゅっ」できるかな?
原題は『HUG』(ハグ)。日本語では「ぎゅっ」がとてもしっくりきています。この絵本の一番の特徴は、お話のほとんどが「ぎゅっ」ということばだけで進んでいくところ。他に出てくるのは「ママ」「ジョジョ」という呼びかけだけで、どれも漫画のような吹き出しで表現されています。
それだけでも十分伝わるのは、絵が存分に語っているから。ジョジョの表情ひとつをとっても、散歩を満喫している笑顔、みんなの「ぎゅっ」を楽しそうに見ている顔が、ママ恋しさから少しずつ曇り始めて、やがて泣き顔に。そしてそんなジョジョを見つめる動物達も、心配そうな表情に…。そんな表情の移り変わりから、ジョジョや動物達の気持ちが手に取るようにわかるのが、この絵本の最大の魅力。それ以外の文章はまったく必要ないのです。
ママと出会えた時のジョジョの幸せそうな顔ときたら! みんなで「ぎゅっ」するラストの見開きも、笑顔があふれて幸せいっぱいです。
<ミーテ会員さんのお声>
以前読んだ時は、ただ楽しそうに見ていただけでしたが、久しぶりに読んだら、ジョジョの表情の変化をとてもよく見ていて、「ぼくのお母さんいないよ、さみしいよって思ったんじゃない?」と気持ちをしっかり読み取っていて、感心しました。文字の少ない絵本ですが、その分動物たちがとても表情豊かなので、息子の心にも届いたのだと思います。(3歳2か月の男の子のママ)
読み終わったら親子で「ぎゅっ」したくなること間違いなしの一冊。文字がほとんどないので赤ちゃんからでも楽しめますし、少しお兄ちゃんお姉ちゃんになってきてからでも十分楽しめます。絵本を真似して「ぎゅっ」することで、愛情を再確認してくださいね♪
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