毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介するのは、ロシア民話『おおきなかぶ』。1966年初版、200万部を超える名作絵本です。
おじいさんがうえたかぶは、あまりに大きくなりすぎて抜けません。「うんとこしょ どっこいしょ」おばあさんも来て、孫も来て、犬、猫、ついにはねずみまで、みんなで力を合わせます。果たして、かぶは抜けるのでしょうか?
長年語り継がれてきた昔話ならではの、シンプルで力強いストーリーです。場面はかぶの前から変わらず、かぶを引き抜く人や動物が増えるたび、同じような文章が繰り返されます。単純な繰り返しが続くことで、子ども達の期待と緊張が高まり、そこから劇的な結末へと一気に進み、物語が終わります。
この物語の力強い骨格と共に印象に残るのは、「うんとこしょ どっこいしょ」という掛け声ではないでしょうか? この表現を生み出したのが内田莉莎子さん。同じくロシア民話の名作『てぶくろ』の訳なども手掛けた翻訳家です。リズミカルでユーモアを漂わせたセリフ。子ども達は、動物が助っ人に登場する頃にはすっかりこのフレーズを覚え、一緒に「うんとこしょ どっこいしょ」と声を合わせるのではないでしょうか。
また、シンプルな物語に動的な魅力を加えているのが、佐藤忠良さんの絵。佐藤さんは彫刻家として有名な方だと聞くと、広々と立体的な絵や、農夫らしい体つきのおじいさんの表現も納得がいきます。ところで、動物達がかぶを引っ張るシーンで、孫の服の紐をひっぱったり、猫が犬のしっぽをひっぱったりしているのにお気づきでしょうか? 物語から受けるとぼけたユーモアのある味わいは、佐藤さんの絵によるところが大きいのです。
<ミーテ会員さんのお声>
昔、私が大好きだった絵本『おおきなかぶ』を読み聞かせました。お兄ちゃんを膝に乗せて「うんとこしょ どっこいしょ」と一緒にかぶをひっぱる真似をすると大喜び♪ すると弟くんもこちらをじーっと見て仲間に入りたそう!! 手を握ってみると、一緒にひっぱった!!(1歳8か月と5か月の男の子のママ)
「うんとこしょ どっこいしょ」のリズムは、5か月の赤ちゃんにも響くんですね! この物語を急転直下終わらせるのは、小さなねずみです。おじいさんに始まり、順に登場するのは、前の人よりも小さく、力の弱いもの。小さく弱いもの達が力を合わせることで、見事なハッピーエンドを呼び寄せているところに、この民話がいつまでも愛される秘密があるのかもしれません。
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