毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。
今回ご紹介する絵本は、バージニア・リー・バートンさんの『ちいさいおうち』。1942年にコールデコット賞を受賞した、アメリカ絵本の古典的作品です。
静かな田舎に、とても頑丈につくられた小さなおうちがありました。豊かな自然に囲まれていましたが、おうちの周辺も都市化が進み、ついには高層ビルにはさまれてしまいます。そこに、女の人が通りかかり…。かけがえのない大事なものに気づかせてくれるおすすめ絵本です。
小さなおうちに定点カメラがすえられ、月日が流れていく様を映し出していて、まるで短編映画を見ているような躍動感があります。おうちの周りの環境は、穏やかに四季が移ろう田舎であったものが、道ができ、家が建って、都会へと激変していきます。第二次世界大戦中のアメリカで出版された物語でありながら、今の時代の日本にも通じる、普遍的な物語となっています。
小さなおうちの、窓は目のように、玄関付近は口のように見えます。周りの変化によっておうちの表情が少しずつ変わることに、子ども達はきっと気づくことでしょう。最後に田舎に戻った時の、小さなおうちの「笑顔」は実にうれしそうで、読後感をさわやかなものへとしています。
作者のバージニア・リー・バートンさんは、『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』などでも知られる、アメリカの絵本黄金期を支えた作家のひとりです。作品をつくる際には、必ず自分の子ども達に読み聞かせて、子どもの反応を反映させて完成させていたそうです。それが、出版から70年以上経ってもなお、読み継がれている理由かもしれません。
<ミーテ会員さんのお声>
我が家で4冊目のバートンの絵本。表紙を見るなり「『けいてぃ』みたい」と、息子(『はたらきもののじょせつしゃけいてぃー』のこと)。この絵本にも乗り物満載で、届いたその日に2度読まされました。息子は今これを「乗り物絵本」と思っているでしょうが、いつか心に静かに深く響く物語や、一見、大らかなように見えてその実とても緻密に描き込まれた絵の魅力に気づく日がくると思うと、今から楽しみです。(2歳3か月の男の子のママ)
年齢が上がるにしたがって、読み取るものが変わってくる物語。年齢をあけて再読すると、子どもの成長を感じられるかもしれませんね♪
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