赤ちゃん絵本を楽しもう!

Vol.42 『ねむねむごろん』作者・たなかしんさんインタビュー

Vol.42 『ねむねむごろん』作者・たなかしんさんインタビュー

赤ちゃんとの絵本の時間を楽しみたい、すべての方へ。選りすぐりの赤ちゃん絵本の誕生秘話や、作家さん・編集者さんが絵本に込めた思いを伺いました。赤ちゃん絵本を楽しむヒントが詰まったインタビュー、今回は、たなかしんさんにご登場いただきます。

うまく眠りにつけない人の助けになるような絵本を

僕はもともと寝つきがよくない方で、あまりに眠れなくて悩んだ時期があったんですね。それで、同じように睡眠で苦労している人の助けになれないかと考えて、2014年にこの絵本の原案となる絵を描きました。その絵をもとに生まれた絵本が『ねむねむごろん』です。

ちょうど絵本の制作途中で息子が生まれたので、絵本に登場する赤ちゃんは息子をモデルにしています。赤ちゃんが親しみやすいように、動物は2頭身に近い形にデフォルメしました。赤ちゃんの視覚の発達を考え、背景は黒にして、動物達は黒に映えるような配色としています。

僕は絵を描く時、下地に海の砂を使っています。波打ち際の細かくてきれいな砂を採取して、塩を洗い流し、天日干しをしてから使うんです。山から運ばれた岩や砂、海から運ばれた貝殻やサンゴ、そして太陽のエネルギー…たくさんの恵みをキャンバスに閉じ込めて、その上に描きます。なんだか意味のない作業のようにも感じますが、手間をかけるほどに愛情も増す気がするんですよね。それに、自然のものを使うので同じものは二度とできません。独特のぬくもりを感じてもらえたらうれしいです。

絵本を通じて子どものことを知ることができる

息子は今4歳で、その下に2歳の娘がいるんですが、息子も娘もなかなか寝てくれない子で、寝かしつけにはかなり苦労してきました。背中をトントンしすぎて腱鞘炎になってしまったくらい(苦笑) 夜中もちょくちょく起きてしまうので、そのたびだっこしたり背中をさすったり…。僕の遺伝子のせいかも、なんて少し不憫に思ったりもしましたが、今はこれも個性かと開き直って、どうにも寝てくれない夜は無理やり寝かせず、絵本を読んだり遊んだりしています。

娘は『ねむねむごろん』がお気に入りのようで、寝る前によく本棚から「読んで」と持ってきます。親としても作者としても、めちゃくちゃうれしいひとときですね。

赤ちゃんへの読み聞かせは、ふれあいが増えるだけでも十分価値があると思います。それに、どんなことで喜ぶのか、笑うのか、何に興味があって、何が怖いのか、嫌いなのかなど、絵本を通じて子どものことをたくさん知ることができます。ことばを覚えるきっかけにもなるし、いいことばかりです。だからぜひ、赤ちゃんとの絵本の時間を親子で楽しんでもらいたいですね。

親になってみて改めて感じたのは、赤ちゃんにも個性があるということ。成長のスピードも眠る時間も、食べる量や速さも違います。なのであまり気にしないでください。情報として知っておくことはいいのですが、我が子を信じてあげることが大事。僕もまだまだ親としても人間としても未熟ですが、子どもと一緒に家族で成長していけたらいいなと思っています。

ミーテ プレゼント情報

たなかしんさんの絵本『ねむねむごろん』直筆サインを入れていただきました! ミーテ会員3名様に抽選でプレゼントします。

『ねむねむごろん』のご紹介はこちら

※ミーテ会員登録がまだの方は、登録後、ご応募ください。会員登録はこちら

プレゼントの応募は締め切りました。当選者の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

応募期間
11月12(火)~11月25日(月)

プロフィール

たなか しん

1979年、大阪生まれ。画家、絵本作家。海の砂を用いた独特の画法で描く。2005年、台湾にて初の絵本作品を出版。その後の作品に『ガマ王子vsザリガニ魔人』(文・後藤ひろひと、求龍堂)、『クークーグーグー』(あかね書房)、『ねむねむごろん』(KADOKAWA)などがある。海外での展覧会、舞台美術、広告、服飾デザインなど、幅広く活動中。

絵本作家 たなかしんのホームページ http://www.misagi.net/top.html


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