スペシャルインタビュー

高野優さんに聞きました! 第4話<全4話>

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今回は、育児漫画家、イラストレーター、育児番組でもおなじみの高野優さんがご登場。3人の娘の育児を、飾らず体当たりでユーモアと愛を忘れず描き、子育て世代からの支持を集める高野さん。育児漫画を描き始めたのは「妊娠って面白い!」という発見からだそう。幼少期のこと、絵本との再会、ご主人が亡くなられた後に描いた初の絵本などたっぷりとお話いただきました。4週連続でお届けします。

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高野優さん

高野 優(たかの ゆう)

北海道出身。イラストレーター、漫画家、エッセイスト。『高野優のコドモ☆スクランブル JUMP!』(講談社)、『みつばのクローバー』(主婦の友社)、『思春期ブギ』(ジャパンマシニスト社)など育児漫画、エッセイの著作は約40冊。Eテレ育児番組の司会を3年間務めたほか、講演会で全国を巡る。絵本作品に『よっつめの約束』。大1、高2、中1の3姉妹の母。※学年は2015年8月現在(プロフィール写真撮影・刑部友康)。
https://takanoalamode2018.officialsite.co/

絵本『よっつめの約束』

よっつめの約束

▲ある日弟が、もう寝ない、笑わない、と言い出した。私はパパとしたよっつめの約束が思い出せない…。幼くして父を亡くした姉弟が、立ち直る為の一歩を踏み出す姿を描いた。『よっつめの約束』(講談社)

初めての絵本『よっつめの約束』は、お父さんが亡くなってしまった姉弟を描いた作品です。出会った時から私の夫は病気を持っていたので、覚悟をしながらの結婚生活でした。でも正直、こんなに早くとは思っていなかった。結果的には、一番下の子のランドセル姿を見ないまま、亡くなってしまったんです。

そのショックで「かく」ことができなくなってしまったんです。漫画も、エッセイも。当時連載していた新聞は休載、テレビ出演は続いていたのですが…。そんな時期が、半年以上続きました。ありがたいことに、札幌から友だちが泊まりがけで来てくれたり、近所のお母さん友だち達がごはんを届けてくれたりしてくれました。私が何とか立ち直ったのは、夫が亡くなってから半年間、泣き暮らしたことだと思うんですね。泣いて泣いて、涙のタンクが空になって、初めて一歩階段を上がれた気がするんです。

それから少しずつエッセイなどを書くようにはなっていくんですが、夫の死については描けなかった。その数年後に東日本大震災がありました。テレビで、段ボールで仕切ってある避難所の映像を見た時、ふと「あの人たちはみんなちゃんと泣けているのかな」と思ったんですよね。そうしたら、居ても立っても居られなくなって、編集の方に私から連絡をしたんです。使命と言ったら大げさなんですけれど、描かないといけないと思いました。この時は、何かがとりついたように、それまで全く描いたことのない水彩で、一気に描きました。今、同じ絵を描いてと言われても描けないですね。今は次の絵本の準備をしています。早くお届けできるようにがんばります。

寝ている子に謝るくらいなら、起きている時に笑わせてナンボ!

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高野優さんイラスト

子育て中のお母さん方のしんどさって、なかなか社会的にはわかってもらえないというのがあると思います。そんな実感から講演会を引き受けるようになりました。

即興で漫画を描きながらお話をしているんですが、お客様が眠らない講演会と言われてます。90分という貴重なみんなの時間をもらっているからには、少しでも「ああ行ってよかった」という方が増えるようにと、心がけています。

私は、子どもが0~3歳の頃って、怒ってばかりいたんです。子どもが泣きつかれて寝ると、その寝顔に向かって謝るんです。正座しながら「明日から怒らないから」って。でも子どもからしたら、さっきは泣いたけれど、今は寝ている。そんな時に親が落ち武者みたいにブツブツ謝っていたら、金縛りにあいそうですよね(笑) それって結局、親の自己満足。だから、寝ている子に謝るくらいなら、起きている時に笑わせてナンボだと思うようになりました。

お子さんが小さい時って、とにかくヘトヘトな時。でも同時に、子どもの成長が目まぐるしく変わる時だからこそ、瞬きするのももったいないなと思うんです。だからこそ、「大変!」って頭を抱えているよりも、ちょっとサボったり工夫したりして、子どもの成長をよーくしっかり見て、笑っている方がいいのかなって思います。私の漫画や話が、ほんの少しでもその手助けになったら、とてもうれしいですね。

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