絵本作家インタビュー

vol.15 絵本作家 かとうようこさん(前編)

絵本作家さんや絵本の専門家の方々に、絵本についての思いやこだわりを語っていただく「ミーテカフェインタビュー」。今回ご登場いただくのは、ミーテでくまのキャラクターなどのイラストをご担当いただいている絵本作家・かとうようこさんです。ミーテ会員のみなさんとのコラボレーション企画「絵本おはなしリレー」でもおなじみのかとうさんに、絵本作家になるまでの紆余曲折や、絵本づくりにおけるこだわりなどを語っていただきました。
今回は【前編】をお届けします。 (【後編】はこちら→

絵本作家・かとう ようこさん

かとう ようこ

1970年、山梨県生まれ。青山学院大学文学部卒業。学生の頃から絵本作家を夢見て公募展などに投稿。商社勤務後、お菓子作りの趣味が高じて、自宅のキッチンで注文形式のお菓子屋さんをやっていたこともある。「ミーテ」のキャラクターをはじめ、子ども向けテレビ番組や幼児雑誌などのイラストを手がけるかたわら、絵本作家としても活動。作品に『ぜったいまもってあげるから』(青心社)、『ひとしずくのお話』(くもん出版)、『ふらふらみつばち』(作・うえき まさのぶ、ひさかたチャイルド)などがある。
ホームページ「かとうようこ時間のびんづめ」:http://katoyoko.net/

今も覚えている、寝る前のお話タイム

小さいときは、絵を描くのが好きな子どもでした。友達と遊ぶときは、登れそうな木があればどんどん登っちゃうくらい、外でやんちゃに遊んでいたんですが、家ではよくおばあちゃんがテレビを見ている横で、裏面が白い広告の紙なんかに絵を描いたりして遊んでいましたね。

実は、絵本のことはあまり記憶がなくて。それよりむしろ、寝る前におばあちゃんがお話ししてくれたことの方がよく覚えてますね。私、おばあちゃん子だったんですよ。おばあちゃんはよく、「北風と太陽」の話をしてくれました。私がお布団に入ったら、すぐ横で語ってくれたんです。そのときのおばあちゃんの声とか、ぬくもりとか、今も記憶に残っていますね。

絵本でよく覚えているのは、「スカーリーおじさん」のシリーズ(評論社)。動物が消防士として働いていたり、街の中を歩いていたり……細かいところまで描かれている絵本だったので、それをじっくり見ているのが好きでした。一人でじーっと見ていると、いろんな発見があって、それが楽しかったんでしょうね。

中学生くらいになると、本屋さんに行って自分で本を買って読むようになりました。講談社の青い鳥文庫とか、よく読んでいましたね。なかでも心に残っているのは、柏葉幸子さんの『霧のむこうのふしぎな町』(講談社)。映画『千と千尋の神隠し』にも影響を与えたというファンタジーなんですけど、すごく楽しくて、こんなのが描けたらいいなと、童話作家を夢見るようになりました。

迷いながら見つけた“絵本作家への道”

大学時代は、クレヨンハウスさんによく足を運んでいました。そこで出会ったのが、ゴフスタインさんの『ブルッキーのひつじ』(ジー・シー)や『おばあちゃんのはこぶね』(すえもりブックス)。線画なんですけど、表紙に引かれて手に取って。それで、こんなすばらしい絵本が描けるようになりたい、と思うようになったんです。

でも、絵本作家って、どうやってなったらいいのか、わからなかったんですよ。医者だったら医学部で勉強して国家試験を受ければいいわけですけど、絵本作家にはそういう明確な道がないですし、誰に聞けばいいのかもわからなくて。いろんな作家さんの絵本作家になるまでのエッセイなんかを読んでみると、みんな道のりが違うんですよ。デザイン事務所からデザイナーを経てとか、編集をやっててそこからとか、人によってそれぞれなので、必ずここに行けばいいって道がないんです。

少しでも絵本に触れていれば何かきっかけがつかめるんじゃないかと思って、学生時代は絵本の専門店・童話屋さんでアルバイトさせてもらったりもしました。そこでいろいろ絵本の勉強をさせてもらいながら、公募展に出したりもしていたんですけど、音沙汰なく落選したり、返ってきたり……そのうちまわりの友達が就職活動を始める時期になって、友達に「そんな夢みたいなこと言ってないで就職しなきゃだめだよ」なんて言われて、大学卒業後は商社に就職したんです。

でも、会社で仕事をしている間も絵本を描きたいという思いが消えなくて、辞めてしまって。それから、好きだったお菓子づくりで手に職をつけようかなと思ってお菓子を習って、自宅でお菓子屋さんをやっていた時期もあったんですけど、お菓子って最終的には食べてしまうので、形に残らないじゃないですか。自分としてはやっぱり、自分のつくったものを作品として残しておきたいなという気持ちがあって。

その後、「そうか、自分から出版社に持ち込めばいいのか」と気づいて、何のつてもないまま体当たりで持ち込みをするようになりました。編集の方たちも忙しいようでなかなか会ってはくれないので、持ち込みといっても、持ち込むことさえままならなかったんですけどね。そんな中で、そのときの私の作品の傾向を好意的に受け止めてくださりそうな出版社さんにアタックしてみようと思って、ちょうどその頃に大人向けの絵本を出されていた大阪の青心社さんに持ち込んだら、気に入ってもらえて。そこで3作続けて絵本を出させてもらいました。いろいろと迷い道もしたんですけど、みなさんからいろいろ教えてもらいながら今も絵本の仕事をできているので、ラッキーだったなと思っています。

ミーテ会員さんと一緒につくる「絵本おはなしリレー」

▲「絵本おはなしリレー」に登場したシーン

「絵本おはなしリレー」は、おもしろい!の一言につきますね。ミーテは会員さんがつくるサイトなので、私も会員さんと一緒に何かできたらいいな思って実現した企画なんですよ。ミーテの会員さんが文字で参加してくださって、私が絵を描いてつないでいくわけですが、自分では考えつかないような、思いもよらない展開になったりすることもあって、それがまた楽しいですね。会員のみなさんとの化学反応で、一人でつくるのとはまったく違うものが生まれるので。

みなさんが投票して文が決まったら、ミーテ事務局から連絡がきて、ラフを描いて確認してもらってから描きあげるという流れで進めてます。すぐには絵ができないのでいつもちょっとだけ「今イラストを描いてます」という感じで待っていただいてますが、今まさにつくっている最中というライブ感もあって、楽しませてもらっています。ミーテ会員の方ならどなたでも参加できる企画なので、たくさんの会員さんに参加してもらえたらうれしいですね。

「絵本おはなしリレー」企画は終了いたしました。


……かとうようこさんのインタビューは後編へとまだまだ続きます。(【後編】はこちら→


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