イチ押し絵本情報

小さいからって理不尽…ティッチに子どもが共感(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.190)

2018年7月5日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 小さいからって理不尽…ティッチに子どもが共感

今回ご紹介する絵本は、パット・ハッチンスさんの『ティッチ』。1971年に出版され、1975年に日本で翻訳されたロングセラー絵本です。

ティッチは小さな男の子。お兄さんはとっても大きな自転車、お姉さんも大きな自転車を持っていました。でもティッチには、小さな三輪車。ところが…。

見開き

3人きょうだいの末っ子、小さなティッチ。ティッチ自身がお話に登場する前のタイトルのページに、すでに、お話を暗示する大中小の子どもの洗濯物が干されています。並べられていることで、いかにティッチが小さいのか、お話に入る前から頭に刻まれるのです。読み聞かせの際も、子ども達がじっくり見る時間をとってあげたいページです。

さて、お話の構造はとてもシンプル。お兄さんのピートはとても大きな立派なもの、お姉さんのメアリも次に大きくて素敵なもの、でもティッチは小さい〇〇。という繰り返しです。体が小さいというだけで、持ち物が小さかったり赤ちゃん向けだったりすることに、ティッチが不満をもっていることは、ハの字眉毛にヘの字の口からもはっきりわかります。

ところが、最後の繰り返しでは、ピートの大きなシャベルとメアリの大きな植木鉢、そしてティッチは小さな種をもっていました。その種が芽を出して、とうとう3人の背より大きくなるのです。

読み聞かせを聞く子ども達は、たとえ兄弟姉妹がいなくとも、家族や地域の中で小さな存在。お兄さんやお姉さんの持ち物に憧れたり、子どもだからともらえないものや、もらえても量が少ないことを理不尽に思ったり、そんな経験がない子どもはいないでしょう。体の大きさはすぐには変わらないけれど、小さいままで、大きなきょうだいを見返すお話に、子ども達は大いに共感することでしょう。

同じハッチンスさんの代表作の『ロージーのおさんぽ』も、同じく小さい側、弱い側に立ったお話。単純なお話なのですが、ちょっとしたユーモアとウィットで立場が逆転してしまう、爽快感のある物語です。ロングセラー&名作ピックアップでもご紹介しているので、良かったらのぞいてみてくださいね。

<ミーテ会員さんのお声>
寝る前に「絵本を読むよ!」と言うと、「ティッチ~~! ティッチ! ティッチ~」と言って絵本の中から自分で選んできた。ちっちゃいとか大きいとか、さんりんしゃ、くるくる(かざぐるま)、ご~んご~ん(かなづち)、ごくごく(植木鉢を湯呑茶碗と間違えている)などと言いながら聞いていました。(1歳8か月の男の子のママ)

同じティッチのお話としては、『ぶかぶかティッチ』『きれいずきティッチ』(こちらのみ童話館出版)が日本に紹介されていますので、賢いティッチのその後を知りたい方はこちらをどうぞ。


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