イチ押し絵本情報

どろんこをこよなく愛するこぶたの冒険物語(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.189)

2018年6月28日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 どろんこをこよなく愛するこぶたの冒険物語

今回ご紹介するのは、『ふたりはともだち』でもおなじみの絵本作家アーノルド・ローベルさんのロングセラー『どろんここぶた』。1969年に原書『Small Pig』がアメリカで出版され、日本では1971年に岸田衿子さんの翻訳で出版されています。

お百姓さんの家のぶた小屋で暮らすこぶたは、食べるのも走るのも眠るのも大好き。でも何よりも好きなのは、柔らかいどろんこの中に座ったまま沈んでいくことでした。ところがある朝、家の大掃除を始めたおばさんが、ぶた小屋まできれいにして、どろんこも掃除機で吸い込んでしまいます。怒ったこぶたは、どろんこを求めて家を飛び出し、とうとう大きな街までやってきますが…。

見開き

どろんこの主人公と言えば、以前ロングセラー&名作ピックアップでもご紹介した『どろんこハリー』もよく知られていますが、どろんこへの熱い思いで比較するならば、こちらのこぶたの右に出るものはいないのではないでしょうか。何しろ、自ら泥の中に座り込んで、ずずずーっと身を沈めていくのですから。一度はおばさんの手によってぴかぴかに洗われ、きれいな姿になるのですが、せっかくつけてもらった大きなリボンも、こぶたは憤怒の形相で取り外します。

見知らぬ場所に冒険に出かけて、さんざんな目に遭うものの、最後は家に戻ってくる…という王道の展開で物語は進みます。ページ数が多いため、途中の冒険がたっぷりと描かれているのも特徴のひとつ。どろんこだと思ってセメントに沈み込み、身動きが取れなくなるというハプニングは、警察や消防隊まで巻き込む大騒動に発展して、物語を盛り上げます。

怒ったり笑ったり困ったり…くるくると変わるこぶたの表情にもご注目。おじさんおばさんとともに家に帰り、自分の小屋の前のどろんこに沈み込むというハッピーエンドからは、大好きな人達のいる場所で、一番好きなことをしているのが何よりも幸せなんだということがまっすぐに伝わってきます。

<ミーテ会員さんのお声>
最近、『どろんここぶた』をくり返し読んでいます。初めて読んだ時、「この本、面白かったね」と言ってました。「ずずずーっとどろに入るのが好き」とのこと。きっと何度もくり返し聞いて、絵とことばでこぶたくんの世界を楽しんでいるのでしょう。ときどきセリフもマネして言っています。昨日は5回も続けて読みました。しばらくブームが続く予感。幼稚園からどろんこになって帰ってくる日も近いかもしれません。(3歳4か月の女の子のママ)

親にとっては無価値と思えるものも、子どもにとってはものすごく大切なものだったりする…そんな価値観の違いについても考えさせられる一冊です。ページ数が多くやや長めに感じられますが、絵がたくさん入っているので、3歳ぐらいから十分楽しめますよ。


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