イチ押し絵本情報

ころころと逃げ出したパンの行く末は…?(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.183)

2018年5月17日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 ころころと逃げ出したパンの行く末は…?

今回ご紹介するのは、ロシアの昔話をもとにした絵本『おだんごぱん』。1966年に瀬田貞二さんの訳、脇田和さんの絵で出版されたロングセラーです。

おなかを空かせたおじいさんのために、おばあさんが、なけなしの小麦粉でおだんごぱんを焼きました。窓辺で冷やされていたおだんごぱんは、ころんと転がると、椅子から床へ、床から戸口へと転がって、表の通りへ逃げ出します。途中でウサギやオオカミ、クマに食べられそうになるものの、うたを歌って上手に逃げたおだんごぱん。ところが、口のうまいキツネに、つい気を許して…。

見開き

表紙の中央には、おじいさん、おばあさんや動物達に囲まれて、困った表情を浮かべるおだんごぱんが描かれています。でもお話の中のおだんごぱんはというと、自由にころころ逃げ回って、ニヤリと余裕の笑み。丸顔のパンというと真っ先にアンパンマンを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、正義のヒーロー・アンパンマンとは打って変わって、おだんごぱんは何とも飄々としています。

絵は全体的に薄茶色で、地味な印象を受けますが、物語の展開にリズム感があるので、子ども達を飽きさせません。動物達に遭遇して食べられそうになるたびに歌う「ぼくは、てんかの おだんごぱん。ぼくは、こなばこ ごしごし かいて、あつめて とって…」というくり返しがお話を盛り立てます。自由に節をつけて歌うように読むと、子どもも喜ぶことでしょう。

最後はおだんごぱんが自らキツネの舌の上に乗り、あっという間にぱくっと食べられてしまいます。昔話らしいあっけないラストが意外と癖になる一冊です。

<ミーテ会員さんのお声>
おだんごぱんは、ちょっと賢い。でも、上には上がいる。調子に乗るとよくない…そんな教訓のお話なのかな。わが子は最後までちゃんと話を聞いていた。絵がさっぱりしてるからか、そこまでの食いつきではなかったけど、その分飽きもこなさそう。またしばらくしてから読んでみよう。(3歳8か月の女の子のママ)

原作となったお話は、ロシアだけでなくヨーロッパに古くから伝わる民話だそうで、他にも『パンはころころ―ロシアのものがたり』『ころころ パンケーキ―ノルウェー民話』など、様々な作家の手により絵本化されています。それぞれ違う味わいが楽しめるので、興味のある方は読み比べてみてくださいね。


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