イチ押し絵本情報

小さな魚が集まって、大きな魚になった!(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.94)

2016年8月18日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 小さな魚が集まって、大きな魚になった!

今回ご紹介する絵本は、レオ・レオニさんによるロングセラー『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』。1963年に米国で出版、世界中で翻訳されているレオ・レオニさんの代表作です。

小さい黒い魚のスイミー。赤い魚の兄弟達は大きな魚に食べられてしまい寂しく過ごしていました。ある時兄弟達とそっくりの魚たちを見つけたスイミーが賢い提案をします。

見開き

『スイミー』と言えば「国語の教科書で読んだ!」という方も多いのでは? ひとりほかの兄弟と違って生まれたスイミーの、知恵と勇気、そして仲間の協力によって、大きな魚さえ追い出す力を得る姿。小さな生き物が主人公の話だからこそ、子ども心により深く印象に残ったことでしょう。

レオ・レオニさんの他の作品と同じく、『スイミー』も読む人によってたくさんの解釈をされてきました。スイミーの知恵と勇気、仲間と力を合わせることの大切さ、皆の「目」となるスイミーの姿にレオ・レオニさんの姿を重ねる人もいます。



また落ち込むスイミーが見た海の多彩な景色も、印象に強く残ります。虹色のゼリーのようなくらげ、水中ブルドーザーみたいな伊勢海老、ドロップみたいな岩から生えてる昆布やわかめの林…。谷川俊太郎さんの訳によるみずみずしいことばによって、スイミーを元気づけ、マグロへの恐怖心を越えさせたキラキラとした景色が目の前に広がります。

以前、デビュー作『あおくんときいろちゃん』をとりあげた記事でもご紹介しましたが、レオニさん(出版社により、作者の日本語表記が若干違います)は、もともと米国のグラフィックデザイナー。49歳の時に孫の為につくった絵本が出版され、以来、1999年に亡くなるまで、『フレデリック』『アレクサンダとぜんまいねずみ』など40作近い作品を生み出しました。

起伏に富んだ人生経験を経てから生み出されたからこそ、多様な読み方に応える作品となったのかもしれません。

<ミーテ会員さんのお声>
昨日読んだ『スイミー』が気に入ったようで、今日も保育園から帰ってくるなり自分で絵本を開いていました。「ゼリーのようなくらげ」「ブルドーザーのいせえび」など、印象的なフレーズは覚えているようで、ひとりでつぶやいていた息子。

突然「あ!」というので何かと思えば、「スイミーの目、怒ってるよ」。よく見ると、ページによってスイミーの目の位置が違っていて、怒っているように見えるページが確かにありました。子どもって細かいところまでよく見ているものですね!(0歳7か月の女の子と、3歳1か月の男の子のママ)

教科書では、絵が左右反転していたり、ひらがなが漢字になっていたりと、教材として変わっている部分もあります。この機会に、絵本本体を再読してみてくださいね。

▼谷川 俊太郎さんのインタビューはこちら
「言葉はスキンシップ 子どもを膝に乗せて絵本を読んで」


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