イチ押し絵本情報

やんちゃな犬に自分の姿を重ね合わせて(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.85)

2016年6月16日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 やんちゃな犬に自分の姿を重ね合わせて

今回ご紹介するのは、ジーン・ジオンさんの文、マーガレット・ブロイ・グレアムさんの絵による名作『どろんこハリー』です。日本での初版は1964年。『しょうぼうじどうしゃ じぷた』の作者でもある渡辺茂男さんの翻訳で、180万部を超えるロングセラーとなりました。

黒いぶちのある白い犬のハリーは、お風呂が大嫌い。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ブラシを隠して逃げ出します。外で遊んでいるうちにどろだらけになってしまったハリーは、家に戻っても家族にハリーだとわかってもらえません。そこで、様々な芸当を繰り広げてアピールしますが…。

見開き

表紙に描かれているのは、向かい合った2匹の犬。ふたごのようにそっくりですが、色だけが違います。左はもちろん、この絵本の主人公ハリー。では右の、白いぶちのある黒い犬は…? お話を読み進めていくと、答えがわかります。

この絵本の特徴のひとつは、本文が始まる前に絵だけで物語が始まっていること。読み聞かせする際は、表紙はもちろんのこと、ハリーがブラシをくわえる場面や、湯気の立ったバスタブを後にして走り出す場面も、ゆっくりと見せてあげましょう。


訳者の渡辺茂男さんは著書『心に緑の種をまく』(新潮文庫)の中で、くだもの屋さんの前を通るハリーのシーンに描かれた情報量の多さについても触れ、「短い文章を、のんびりと読み、お子さんが、丹念に絵を見ていく時間をかけましょう。のんびりながめれば、ながめるほど、ハリーの興奮が生き生きと伝わってきます」と書かれています。どろだらけになって楽しそうに遊ぶハリーの姿に、子どもは自分を重ねてワクワクすることでしょう。

<ミーテ会員さんのお声>
注文していた絵本が数冊届きました。一番楽しみにしていたのは、私が子どもの頃に大好きだった絵本『どろんこハリー』! 小6の時、偶然にも黒いぶちのある白い犬を飼うことになったので、もちろんハリーと名づけました。そんなこともあって、とても思い出深い一冊です。実家にもまだあるのですが、今回子ども達用に新しく買いました。初めて読んだ時の反応はいまひとつだったけど、だんだん好きになってくれるといいなあ。(3歳6か月の男の子と6歳0か月の女の子のママ)

原書の初版は今から60年前ですが、グレアムさんの絵は古さをまったく感じさせません。ストーリーもシンプルでわかりやすく、小さい子どもから楽しめます。ジオンさんとグレアムさんはご夫婦で、『うみべのハリー』『ハリーのセーター』といったハリーのシリーズの他にも、共作の絵本がたくさんあります。気に入った方は、ぜひ他の作品もチェックしてみてくださいね。


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