イチ押し絵本情報

100万回死んで100万回生き返ったねこの、愛の物語(ロングセラー&名作ピックアップ Vol.60)

2015年12月17日

毎週木曜日は、ママ世代にとっても懐かしい、世代を超えたロングセラー&名作絵本をご紹介します。

 100万回死んで100万回生き返ったねこの、愛の物語

今回ご紹介するのは、佐野洋子さんによる名作『100万回生きたねこ』。1977年に出版された、累計210万部超のロングセラーです。

100万回生まれ変わり、あらゆる時代のさまざまな飼い主に飼われてきたねこ。初めて自分のねこ、つまり自由なのらねことして生きた時、白いねこに出会い、家族をつくり…。生きるとは何か、愛するとは何かを静かに問いかけてくる絵本です。

飼い主の誰もを嫌い、死ぬのが平気だったねこ。白いねこに出会い愛したことで、すべてが変わります。白いねこと子ねこを自分よりも好きなくらいになり、そして白いねこと一緒にいつまでも生きていたいと思うようになります。そして、ふてぶてしいと感じるほどの表情がどう変わっていくのか…。

作者の佐野洋子さんは、多くを語りません。一匹の不思議なねこの生涯を淡々と描くのみ。「なぜねこは死ぬのが怖くなかったのか」「なぜねこは100万人の飼い主達を嫌ったのか」…読み終わった後も、たくさんの問いが残ります。答えがわかった気がしても、成長し、時間を置いてから読み直すと、違う解釈が浮かび、容易に答えを与えてはくれません。大人の絵本とも言われるゆえんでしょう。

一方、死をむき出しに語っていたり、受け取り方が千差万別であったりと、子どもへの読み聞かせが難しいという声も多いようです。ただ、死や生、愛を理解すると一般的に思われる年齢よりも前に、この作品を繰り返し読み聞かせするようねだる子どもがいるのも事実です。佐野さん自身は、子ども向けの絵本について、「ことばや絵を通して、ことばではないことばの背後に、絵ではない絵の背後の、世界の不思議さをわかりあうこと」(『ふつうがえらい』(新潮文庫))と語っていらっしゃいます。

<ミーテ会員さんのお声>
下の子は、時々お兄ちゃんの本だなから、寝る前に読む絵本を持ってくる。昨日も、『100万回生きたねこ』を持ってきた。 私がこの本のことを初めて知ったのは、大学の児童文学の授業。ものすごい衝撃で、帰り道に本屋さんで買って帰った。その本を、今子どもたちに読んでいる。

上の子は感激屋さんなので、小さい頃から読んだ後何も言わず、でも何かを感じているような反応だった。下の子は、涙目になって読む私を心配してくれる(笑) 「にゃんこ、おねんねしてるだけよ。泣かなくていいの」。 そう言う下の子も涙目になっているので、そう思おうとしているんだな…と思う。

自分も悲しい気持ちになっているのを抑えて、私を慰めようとしてくれる健気さに感動。『100万回生きたねこ』にも、息子にも感謝。あたたかい気持ちにさせてくれて、ありがとう。(3歳7か月と8歳1か月の男の子のママ)

親子2世代で、大切な本として読み聞かせている方がたくさんいらっしゃいました。成長に応じて読み方が変わってくるのも、この作品の魅力ですね。


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